▼最初の箇所へ 午前10時00分開議
◯議長(内田博長君)ただいまから本日の会議を開きます。
この際、御報告を申し上げます。
本議会に提案されております議案第22号「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例」について、地方公務員法第5条第2項の規定により、人事委員会の意見を求めておきましたところ、同委員会から回答がありましたが、その写しは、お手元に配付のとおりであります。
本日の議事日程は、県政に対する代表質問であります。
これより、代表質問を行っていただきます。
4番
語堂正範議員
◯4番(語堂正範君)(登壇、拍手)おはようございます。
鳥取県議会自由民主党に所属しております語堂正範でございます。
このたび初めての代表質問で緊張しておりますが、頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず初めに、先週、県内で初めて
鳥インフルエンザが確認されました。迅速かつ的確な初動防衛対策が重要ということで、この週末にも多くの県の職員、自衛隊、その他関係者が出動し、24時間体制で約10万8,000羽の殺処分、農場の防疫措置をされたとお聞きしております。早急な対応に感謝を申し上げます。今後も引き続き蔓延防止対策、影響を受けられた養鶏農家等への支援、県民への情報提供をよろしくお願い申し上げます。
新型コロナウイルス感染症は、いまだ出口の見極めも難しく、燃料・物価高騰による家計や企業経営の圧迫が長期化しております。ロシアの
ウクライナ侵攻、台湾周辺、朝鮮半島の情勢など、不安や閉塞感を感じる日々が続いております。このような状況において、県民の安全・安心な生活を守りつつ、明るい未来への兆しが差し込むような県政を展望、県民の皆様が夢を実現できる鳥取県を目指し、努力していくことが大切であります。ひるむことなく対策を講じていかなければいけないことはもとより、本日はこれまでの任期を振り返りながら、この100年に一度の
世界的パンデミックを乗り越え、新たな友好と平和の時代を切り開いていく時代の転換期において、鳥取県の在り方について、知事、教育長、そして警察本部長と議論をさせていただければと考えます。
1、
新型コロナ感染症への対応と経済対策の両立に向けて。この冬、
新型コロナウイルス感染症の第八波に加え、
季節性インフルエンザの同時流行が懸念されております。この夏の第七波を超える感染拡大によって医療現場のさらなる逼迫が懸念される中、政府は先月、医療提供体制の負担が増大する局面に至っては、
都道府県レベルで外出自粛を要請する
対策強化宣言や、医療が機能不全を来すような状況においては、
医療非常事態宣言を知事が発令できるなど、対応強化が決定されました。
ただ、これまでの経過を踏まえれば、このことは本県への影響が考えにくい他県での宣言発令があった場合にも、県内の飲食・宿泊・観光業界をはじめ消費減退に伴う地域経済の停滞を招くことが危惧され、感染防御しながら
社会経済活動を促していくアクセルとブレーキのコントロールはこれまで以上に難しくなっていくように思います。
ウィズコロナの中でこの難しいかじ取りが必要と考えますが、知事はこの新たな感染症対策についてどのように運用を図っていかれるのか、知事の所見を伺います。
続いて、経済対策についてですが、開会中の臨時国会において、物価高騰を克服し経済再生を実現するための
総合経済対策の裏づけとして、このほど第2次補正予算を可決・成立しました。
総合経済対策では、エネルギーや食料品価格の高騰対策、円安に乗じた観光産業などの稼ぐ力の回復・強化、さらに、岸田総理の重点施策である新しい資本主義の加速化を目指すものとされております。特に個人消費や企業経営の足かせとなっている
物価高騰対策を講じながら、物価上昇率をカバーする賃上げと同時に
スタートアップの起業を促し、人材のスキルアップや労働移動を図ることで生産性向上につなげていく経済構造の強靱化を柱の一つとしております。
本県においても、コロナ禍の影響から早期に脱却を図り、反転攻勢を仕掛けていくタイミングとして、第八波は試練の場になると思います。改めて感染症対策との両立を図り、将来に向けて雇用の場を確保しながら技術、技能人材のスキル向上を促すとともに、成長分野への投資をはじめとする産業振興に取り組んでいくべきと考えます。まずは、このたび提案された本県の12月補正予算において、知事はどのように思いを込められたのか、知事の所見を伺います。
次に、健全な財政運営と財源確保についてですが、このたびの国の第2次補正予算は、積極的な財政出動によって家計や企業など国民全体に経済対策の効果を行き渡らせようとするものであり、岸田総理が標榜する成長と分配の好循環による新しい資本主義の具体化に向け、いよいよ動き出すことになるものと考えます。
ただ、国の長期債務残高は昨年度末に初めて1,000兆円を超えたところ、日銀のゼロ金利政策を支えに、このたびの国の2次補正予算においても一般会計歳出29兆円余りに対する財源として22兆円にも上る新規国債発行が計上されております。
来年4月には日銀総裁が任期満了となります。40年ぶりの物価高水準を踏まえ、ゼロ金利政策や量的緩和についてもいずれ見極めるタイミングが来ることも想定しながら、政府、日銀においては両輪となって日本経済のかじ取りをしていただく一方、足元では長引くコロナ禍の影響や内外情勢に起因する円安・物価高騰への対応など、短期的な視点での対応も迫られていることと考えます。
このような状況の中、本県において、このたび12月補正予算で378億9,000万円余りを計上され、今年度の予算規模は平井県政最大を更新していくものと考えます。法人税や消費税など県税収入が堅調である一方、公債費や増加する
社会保障関連費などの硬直化要因を踏まえ、地方交付税や一般財源の総額確保に取り組むとともに、健全な財政運営を図っていく必要がありますが、今後の本県財政の見通しについて、知事の所見を伺います。
3、農林水産業が持続的に発展する鳥取県とするためにですが、ロシアによる
ウクライナ侵攻は、我が国の農林水産業に対し著しい影響を及ぼしております。特に輸入穀物の供給停滞に伴う肥料・飼料価格の高騰は生産者の経済に直撃し、本県においても重ねて補正予算で対応しました。
先月、世界人口が80億人を超えたとの報道がありましたが、我が国の今後の食料安全保障を考える上では、担い手の確保や
スマート農業などの技術革新による生産性の向上、自然災害にも強い生産基盤を整えながら、
カロリーベースで40%に満たない食料自給率をいかに向上させていくかが課題であると考えます。
このような問題意識の下、生産、加工、流通、販売の川上から川下まで、それぞれの局面における本県の農林水産業の今後の展望について、順次、質問をさせていただきます。
まずは、和牛全共の結果と畜産振興についてですが、10月に行われた第12回
全国和牛能力共進会鹿児島大会において、鳥取県は種牛の部の第1区で優等賞4席、第4区で優等賞5席、第5区で優等賞5席と前回を上回る成果を達成することができました。目標としていた成績を収めることはできませんでしたが、健闘されました生産者の皆様、また、関係者の皆様にはねぎらいの言葉を贈ります。今後は、この成績の分析を踏まえ、さらなる県産和牛の生産強化を図り、子牛競り市場における県産和牛の信頼度の維持に努めるとともに、着実に鳥取和牛のブランド力を向上させることが必要だと考えます。11月10日に開催されました鳥取県中央家畜市場の和子牛の競りにおいては、値崩れすることなく終えたということを聞いておりますが、今後の動向が気になるところであります。今回の結果に対する総括と、令和9年に北海道で開催を予定されている第13回大会を見据えた今後の方針、鳥取和牛の
ブランド化戦略について、知事の所見を伺います。
次に、作物を安心して生産するための体制づくりについてですが、国内の深刻な人口減・高齢化問題は、農業分野においても人手不足、後継者不足という形で大きな課題となっております。この課題を解決するため、先端技術を活用した、農作業における省力化を図る
スマート農業の推進や、大型機械導入による規模拡大は、人手に頼る作業や熟練者にしかできない技術継承に
人的エネルギーを注力するために必要であります。
例えば、鳥取県を代表する作物の一つである梨では、好適とされる傾斜地での栽培が作業性の悪さと表裏一体であり、生産者の高齢化により、営農を断念される方が増えております。生産面積・農家戸数の減少につながっており、ゆゆしき事態であります。中山間地などの条件不利地が多い本県では、ほかの作物でも同様の課題を抱えており、生産量の減少を食い止めるためには
スマート農業の推進や大型機械の導入による規模拡大による作業効率化を図ること、そして何より、担い手の育成・確保が必要不可欠であります。しかし、
ベテラン生産者の年齢層を考慮すると、技術継承のために残された時間は僅かであります。
生産向上に資する
スマート農業の普及や
生産規模拡大、
担い手確保対策のより一層の加速化、重点化が必要であります。そのための支援強化も必要と考えますが、知事の所見を伺います。
また、自然災害や鳥獣被害も離農の大きな原因の一つであります。特にこの冬、
ラニーニャ現象により大雪が予想され、ハウスの倒壊や農作物の損傷などの被害が懸念される状況となっております。異常気象による影響の深刻化が叫ばれる昨今、担い手確保の観点から、平時から災害等に強い安心できる生産基盤を確保するとともに、いざというときには機動的な支援が必要だと考えますが、冬の備えと併せて知事の所見を伺います。
次に、食のみやこの推進についてですが、食は命の源であります。このたびの
ウクライナ危機により、輸入食材の供給停滞や価格高騰に直面し、改めて食料安保や自給率向上、地産地消や食の安全・安心の確保への意識が高まっているように思います。
先の9月定例会では、小麦の供給体制整備に関する予算が確保され、近年増加傾向にある県内産小麦の生産体制を後押しする形となりました。しかし、今回のように海外情勢など外的要因に左右される食料供給には強い懸念を感じており、足腰の強い需給構造とそれを支える生産と連動した消費拡大・販路拡大がより一層重要になってくると考えます。
農林水産省によると、最近では小麦の国内回帰の取組があるようです。例えば、一大産地である北海道では、麦チェン!という外国産から国産に切り替える運動で、北海道産小麦の利用が大きく広がったとのことです。また、福岡県では製粉業者、ラーメン店、生産者等が連携してラーメン用の品種を作り、県がロゴマークを商標登録するなど、官民連携によるブランド化の取組もあるようです。国会では
ラーメン文化振興議員連盟が設立、また、県内でも
米子牛骨ラーメン同盟が設立、琴浦町でも
ラーメンシンポジウムが開催されるなど、子供から大人まで大好きなラーメンに活路を見いだせれば、大変心強いと感じております。
また、きのこ王国の取組として、近年、県産キクラゲの生産が伸びております。県産原木シイタケ同様に、希少な国産キクラゲの消費拡大・販路拡大を推進するべきと考えます。
さらに、本県の
栽培漁業基本計画では、養殖振興を柱の一つに位置づけ、安定生産に向けた取組を行ってきました。平成23年のギンザケ養殖から10年を迎え、その支援、指導に関わってきた実績が、今後の生産性向上の土台となるものと考えられることから、ヒラメ養殖など海産物の消費拡大・販路拡大も推進していく必要があるのではないかと考えます。
小麦やキクラゲ、養殖漁業を例に取りましたが、このたび顕在化した海外情勢に伴う食料安保上のリスクヘッジを契機として、今後改めて国消国産・地産地消の推進、持続可能な生産・消費の拡大を促すことで、食のみやこ鳥取県をさらに推進していく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。
次に、豊かな森づくりについてですが、鳥取県では県民共通の財産である森林を県民全体で守り育てていく取組の一環として、
森林環境保全税が創設されております。平成17年4月から導入され、手入れが必要な人工林の間伐や放置竹林の解消、県民参加の
森づくり活動などを支援するものであり、現在の第4期の適用期間が今年度末となっており、令和6年度からは国税の森林環境税が課税されることを踏まえ、今年3月から
森林環境保全税の
在り方検討会において議論され、来年度以降も課税方式や税率等を据え置いた上で継続することが有効であるとの方針が示されました。
県民アンケートの結果では、今後も県税を負担することに約8割が賛成とのことでしたが、
森林環境保全税を導入していることを知っている方は12.9%、何となく知っているが詳細は知らない方は23.5%、知らない方が63.6%であり、かなり認知度が低いことが分かりました。
このたび名称を「豊かな
森づくり協働税」として新たに今定例会に提案されておりますが、国税の
森林環境譲与税とのすみ分けを含め、県民への丁寧な説明が必要であると考えます。今後どのように県民へ周知、啓発を行うのか、また、この税をどのように活用していくのか、知事の所見を伺います。
4、子供たちが地域と連携して成長する鳥取県とするためにですが、まずは、高校魅力化の推進について質問いたします。
令和4年2月定例会の一般質問において、高校魅力化をテーマに、事業対象となる高校の拡大や、学校との地域連携推進について議論させていただきました。改めて多様な学びの受皿という観点からも、高校魅力化の取組は生徒の学びに必要不可欠であると感じております。
保護者や地域住民の方などが関わるコミュニティ・スクールや
地域学校協働活動によるネットワークの形成、地域と学校が将来に向けた学校の在り方を考えるよき機会と捉え、各校の特徴に共感し、関わりの輪が広がるような高校魅力化を進めていくべきと考えますが、教育長の所見を伺います。
また、この高校魅力化ですが、県内では現在5名の
コーディネーターが配置されており、今年度から
コーディネート人材の資質・能力の向上や、地域を超えた
ネットワーク形成を目指した研修が始められました。
この研修は、地域みらい留学を手がける地域・
教育魅力化プラットフォームとの連携によるものですが、魅力化についてノウハウを有する団体の関わりは、既に配置されている
コーディネーターはもちろん、今後
コーディネーターに就くことを検討されている方にとっても有効な取組と期待することができます。
ついては、今後さらなる
コーディネーターの配置が進められることを考えますが、それぞれの学校で配置された
コーディネーターが日々の取組での悩みや魅力化の進め方などを話し合える関係性の構築も必要と考えますが、教育長の所見を伺います。
次に、中学校休日部活動の地域移行についてですが、今年6月にスポーツ庁、8月に文化庁それぞれの有識者会議において、来年度から令和7年度末までの3年間を改革集中期間として、公立中学校等の部活を地域に移行する提言が取りまとめられました。少子化による部員不足、教員の業務負担軽減、働き方改革など、社会変容に沿った新たな仕組みづくりは、時代の流れであるように思います。
今年の7月13日、私が所属する
総務教育常任委員会の県内調査において、学校や
地域スポーツクラブとこの地域移行に関わる方の生の声を伺うことができました。教員に代わる指導者や活動場所の確保、
経済的困窮世帯の生徒における機会の損失の可能性や、持続可能な運営のための財源措置など、改めて解消すべき課題が山積しているように感じました。
本県では、
県教育委員会が設置する鳥取県
運動部活動在り方検討会において、一つ一つの課題について丁寧に議論されているようですが、主体となる各市町村や地域において議論が深まることが重要だと考えます。
国に対して、地域の実情を踏まえた取組への支援を求めるとともに、県内で既に取り組まれているモデル事業の精査、課題を検証した後、よりよい形で拡大や横展開など事業拡張を進めること、また、市町村任せとせず、県として地域の受皿など関わっていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
あわせて、今後の学校現場や
県教育委員会の進め方や関わり方について、教育長の所見を伺い、前半、壇上での質問とさせていただきます。
◯議長(内田博長君)4番
語堂正範議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)語堂議員の代表質問にお答えを申し上げます。
まず、冒頭、
鳥インフルエンザにつきましてコメントをいただきました。非常に温かい励ましのお言葉に感謝を申し上げますが、このたびの
鳥インフルエンザは、残念ながら鳥取市内の養鶏場で、本県では初めての罹患ということになりました。実はこれまで本県も
鳥インフルエンザウイルスは入ってきていたわけであります。湖山池はもとよりとしまして、日光池、東郷湖、あるいは中海、こういうところでも観測をし続けておりますが、やはり野鳥の中で
鳥インフルエンザは毎年のように見られておりました。ただ、本県は、辛うじて農場の中での発生だけは抑えることができたわけであります。これはやはり入り口を塞ぐ、それから網の切れとか破れとか、そういうものを丹念に塞いでいく、それを山口先生、伊藤先生、また大槻先生という歴代の鳥取大学の先生方が全国的には幸いにして
鳥インフルエンザの大家としての系譜を持っていまして、その方々の教えを直接いただきながら、何とか防いできたのですが、残念ながら今般、言わばその防衛線が破られまして、農場のほうでの罹患ということになりました。心から養鶏業者にお見舞いを申し上げたいと思います。
また、県民の皆様におかれましては、お肉も卵も全然食べて問題ありませんし、市場のほうも健全に今、動いておりますので、通常どおりお暮らしいただくことがこうした農家の応援にもなりますので、御留意をいただければありがたいと思います。
突貫工事で、自衛隊ですとか、あるいは、今日はJAさんの応援を得ておりますが、建設業協会、運輸関係業界、そうしたところの御支援もいただき、県庁職員も3交代の24時間体制で従事をさせていただきました。正直、苛烈な作業でございまして、私どものほうでは、例えばタミフルの予防的投与とか、言わば決然として、私ども職員も含め取り組んだところでありますが、ほぼ予定どおりに、土曜日の午後1時25分にこの殺処分を完了することができ、現在は、残りの消毒作業ですとか、それから防疫措置の完了に向けまして、鶏舎内での作業をJAの応援を得て今進めているところでございます。スピーディーにこういう対策を取ることが感染拡大の防止につながりますし、安心の回復につながります。そういう意味で、本県では総力を挙げてさせていただきましたが、これにつきましては先般も申し上げましたが、追加の予算も必要となってくると思いますので、ぜひ今後、御審議に向けて御協力をいただければありがたいというふうに思います。
この総括として申し上げれば、今回は全国的にも、例えば今まで発生のなかった福島県とか、そうしたところでも起きています。各地で今までにない異常な勢いで伸びていまして、感染力が強いと思ったほうがいい状況であります。ですから、我々も二度とこうした殺処分のような殺生なことをやりたくもありませんし、職員も含めて結構負担がかかる話でございますので、我々としてはこういうことを避けるべく、非常に気を引き締めて、今回の教訓を生かして、農家の皆さんと一致協力をしまして、再発防止に努めることこそ最大の次なる責務ではないかと思っております。監視体制を強めながらやっていければと考えております。
次に、議員のほうからは、今の新型コロナの第八波、なかなか冷めやらないことがある、さらに、ロシアの
ウクライナ侵攻、それから物価等の社会不安、そうしたものがある中で、県民が夢を実現できるような対策というものを今後やっていかなければならない、100年に一度のパンデミックを乗り越えて、平和と友好の時代を築くべきではないか、こういう決意の表明をいただきました。
全く同感でございます。今、幾つもの、いわゆる災難が重層的に降りかかっているのが本県であり我が国、世界の状況ではないかというふうに思います。
鳥インフルエンザも世界的な流行の中で起きておりますし、新型コロナも実はそうであります。そういうようなことを乗り越えながら、また、我々のほうでも、言わば平和、あるいは民主主義の確立、そうした重要な価値、人間社会の整序というものを正しく求めていく、こうしたことを決意を込めてやらなければいけない時期なのではないかというふうに思います。
議員のほうからも今日は農業等々、いろんな御提案がございますけれども、このたびの
鳥インフルエンザもそうでありますが、鳥取県は小さな県ではありますけれども、敏捷性を生かすことは多分できると思います。例えば、今回、自衛隊の出動を求めたわけでありますが、かなり早い段階で、現場の調整をさせていただいた上で、国レベルでの調整をしてもらい、可及的速やかに取りかかることができました。ですから、ほぼ丸2日で殺処分を終えることができたという、若干奇跡のようなことが起きたわけであります。もし、多分、これが大きな地域やいろんな大都市の事情とかがあれば、
新型コロナ対策もそうでありますが、なかなか話合いだとか調整のほうに手間取ってしまって取りかかれないことが多いのではないかと思います。私は小さなほうがこうした危機管理には向いているところがあって、普通にまともにやっては勝てない相手であっても勝つことができるのではないかと思っています。そのためには絆をコミュニティーの中で生かしていったり、それから、先を読みながら展開をしていくということが大切でありますし、そういう状況判断を的確に行うことができれば、私も15年、県政を担当しておりましたけれども、決して対外的に劣るものではないのではないかと思っております。
この間もある知事と話ししていましたが、県庁の女性職員の登用の話になりまして、平井さんのところはよくやっているねという話をいただきました。全国でも非常にそこは注目に値するほど女性職員の登用が進むわけでありますが、こういうのはひとえに意思決定の問題でありますから、小さな組織ほど可能であったのかもしれないというふうに思います。
今、サッカーの
ワールドカップでも、日本が奇跡ということを起こしているというお話でありますが、奇跡というのは起きるものではなくて起こすものだと思います。いろいろと計算された上で今回ドイツを破り、スペインを破りということがあったのだというふうに思います。こうした今回の
ワールドカップの流れをつくったのは、アルゼンチンを
サウジアラビアが破りました。メッシがいたアルゼンチンを
サウジアラビアが破ったことに世界中がびっくりしたわけであります。以来、ジャイアントキリングと言われることが次々と起こるようになりました。考えてみますと、
サウジアラビア、鳥取県も砂丘がありますし、ラクダもいますし、似ているかなと。よく考えてみたら、鳥取市の山のほうに佐治アラビアというのもありますし、そんなわけで、似たもの同士かなと。こんなふうにやはりうちもやらなければいけないなと思っていたら、今度は日本チームが何とドイツやスペインを破るということで、1位通過、死の組と言われたところで成し遂げることができたわけであります。やはり、チャンスを逃さないというのが、ゲームを見ていて思います。私どもも今非常に攻め込まれている。それはいろんな災難が続いているわけでありますけれども、ある程度突破口というのはそれでもやってくるものではないだろうか。メッシがこういうふうに言っています。「乗るべき列車は一度しか通らない。」私たちはその乗るべき列車を逃さずに乗り込むことだというふうに思っています。
これから反転攻勢をかけていくのが、多分、我々がやり残した任期を仕上げた後、次の4年間の人たちが担うべきことかもしれませんし、今その端緒をこれから年明けに向けてつくっていくべき、そういうタイミングではないかというふうに思います。
議員がおっしゃるように、100年に一度のパンデミック、そういうものを乗り越えながら、平和というこの時代というものを切り開いていく、それが我々に課された今任期の締めくくりの責務ではないかというふうに思っております。
そういう上で、議員のほうから幾つかの御質問をいただいております。
まず、
新型コロナ対策につきましてお尋ねがございました。
他県での対策で宣言発令があった場合に、本県でも経済の停滞が起こるかもしれない。そういうような中、どういうふうに
対策強化宣言や
医療非常事態宣言、こうしたものも使いながら経済停滞を招かないように感染症対策というのを進めていくべきなのかと、こういうお尋ねでございます。
今回の第八波でございますが、今、非常に足元の感染状況は、正直あまりよくありません。昨日は日曜日でありましたが、その日曜日でも合計で言いますと298件の陽性者が見つかっております。そのうち東部は132件、中部が49件、そして西部が117件ということでございまして、前週を若干上回ってきています。何がその背景で起こっているかといいますと、第五波まではデルタ株と言われたものですが、第六波でBA.1、BA.2、そして第七波でBA.5の波がありました。今起きているのは、BA.5のさらに亜種のところのBN.1が一つの中心になっていると思われます。そこにBA.2.75.2という、ケンタウロスと言われる系統のものとその亜種が、今、本県で伸び始めています。それの比率としては、少しBA.5ないしBN.1系統からそちらのほうが今、力を増している中で、感染の数が広がっている。恐らくそのウイルスの抗体の兆しということと関係しているかもしれません。そこに今、世界中で起きているのは、こうしたBA.5の後に来るのがBQ.1.1の系統と言われています。これがアメリカだとかいろんなところで実は勢力を伸ばしていて、本格的に伸び始めるかもしれないのですが、本県も既に入り始めています。ですから、あまりいい要素はないのですね。
ただ、片方で、私どもは注意深く観察をしていますが、例えば死亡率でいきますと、デルタ株のときよりも有意に落ちていると思います。ただ、何せ罹患者の数が多いので、亡くなられた人の数が多数に上ると。そういうようなウイルスの特性に応じた対策として何を考えるべきかというのが多分、これからのポイントになってくるのではないかと思います。
そういう意味で、一つは、健康や命を守るというところの最終的な出口、一番重要なポイントをよく我々は考えるべきではないだろうか。その意味で、新しいゾコーバという薬が登場しました。これを上手に使うことが一つあるだろうということであります。鳥取大学の感染症の教授で専門家の千酌先生の御指導もいただきながら、今、全県的に医療関係者で情報の共有を図ったところであります。考え方としては、ゾコーバはどちらかというと若い方々とかが心配なときに、重症化を防ぐために有効ではないかということです。このゾコーバを入手できるように、我々としては薬剤師の皆さんとも一緒になりまして、国のほうにも働きかけて、そこはきっちり取っていこうと。
それとあわせて、やはり重症化のリスクの高い高齢者とか基礎疾患のある方等々には、従来から処方しておりますラゲブリオ、あるいはパキロビッドパック、あるいはレムデシビル、こうした薬剤がやはり重要であると。どちらかというとそういう使い分けをしながら、それぞれの患者さんのカテゴリーといいますか、状況に応じた投薬が有効ではないだろうか、今そうした戦略をつくって、全県的にこれからの新型コロナの対策というのを考えていこうと。特にフルロナと言われますインフルエンザと新型コロナに両方とも一緒にかかってしまった人、こういう方々の重症化ということが心配されるわけであります。こういう方々は人工呼吸器の装着の可能性は4倍以上に増えるだろうと、また、死亡の確率も2.3倍以上に増えるのではないか、これがイギリスのレポートで言われていることであります。それが現実に関西などでも起き始めているのですね。ですから、そういうことを考えると、一つはこういう薬剤の投与のシステムというのをきちんとしておく必要があるのではないか。
また、多くの方々は軽症です。今、特にBA.5の系統、BN.1といったところが数は多いのですけれども、こうした方々の場合は重症化の可能性は従来よりも低まっていると思われます。在宅で療養されるわけですね。その在宅で療養される方の数が増えてくるので、相談センターのほうの陣容を拡大しようと。受診相談センターは看護協会に委託をしながら進めております。これをこのたび、先週末から12月に入りまして、3回線を3人で取っていくというふうに拡大し、それから、年末年始も県庁のほうに電話を移設しながら、この3本の体制を取っていくと。それから、電話等で対処をしていく、陽性者コンタクトセンターで医師が積極的に関わる数も、今、関係者と協議をしながら増やしつつあります。特に年末年始は医療が手薄になると思いますが、この頃、状況としては非常によくないかもしれません。したがいまして、年末年始に開けていただく、あるいは休日急患診療所、こうしたものの協力を今、医師会と所属の先生方にお願いをしているところでありまして、また明日ぐらいにも追加でそうした登録をお願いしようという段取りを今進めております。こういうようなことなど、安心して療養できる、医療にかかれる体制づくりというのは非常に重要であります。
あと、大切なのはクラスター対策ですね。今起こっているのは、結構、子供のクラスターがやはり多いです。学校、それから保育所等は毎日のようにクラスターが多数発生をしています。実はそれが今度は子供たちを通して職員に入り込んだり、あるいは、高齢者が罹患をしたりということがありまして、それが言わば高齢者施設とか病院の中に入り込む。それで院内感染や施設内感染もかなり増えていまして、最近は日に50人以上罹患をします。職員も多いですし、それから、入所者、通所者というのも多いです。両方見られますね。そういうようなパターンがありまして、これは第七波のときに経験したこととかなり似ています。ここを何とかしなければいけないと。それで、12月に入りまして、私どもは医療施設、それから福祉施設、あるいは保育所などもそうなのですが、毎週、職員に検査をしてもらうためのキットを配りまして、この12月に入ってから週1回の検査という新しい仕組みをスタートさせました。そうやってできるだけ感染を早く見つけて、罹患する方を極小にとどめていくという努力は、やはりこうした非常に感染力が強い今の第八波の中でも進めていかなければならないのだというふうに思います。それでできるだけ波を低くして遅らせていって、いずれ静まっていくのを今からしっかりと見通していくというのが一つの作戦ではないかというふうに考えております。
こういうことをやっていけば、例えば地域経済を停滞させるようなお願い事とか、従来他県でよくやっていました時短要請みたいなことは、私どもとしてはできるだけ回避したいと。経済社会を回しながら、こういう医療体制をやったり、それから、私どもの疫学調査やクラスター対策をやっていくことで感染のレベルを下げる、医療の負荷を下げていく、これを同時に果たしていく、言わば二兎を追ってみたいということですね。経済社会を回すことと、健康や命を守ること、両方同時に守れないだろうか、それが今のオミクロン系のBA.5系統の中ではある程度は可能ではないかという信念の下に今は動いているというところであります。他県でもいろいろと動きはあるとは思いますが、正直、知事仲間といろいろと話をしていますけれども、他県もやはり今回はさすがに、年末年始も含めて、あまり経済社会のダメージを大きくしたくないというような思いは強いようでございまして、そうそう制限的な方向に向かうのではないのではないかと思います。
また、逆を言えば、実は政府が財源措置を用意していません。ですから、今非常にそういう措置が取りにくくなっているということも実は背景としてはあります。ですから、我々が今取っている戦略は、そうした医療系、また、疫学調査等の保健所系の対策をしっかりしていくことでやっていけないだろうか、そして住民の皆様には御協力を仰いで、できるだけ感染予防ということを徹底していただくと、そういうことで議員が懸念されるような方向性を回避できるのではないかと思っております。
次に、今回の12月の補正予算、そうしたコロナ禍の影響から、早期に脱却を図り反転攻勢をかけていく、これについてはどういう思いを込めてやっているのか、また、本県において財政の今後の負担ということはどうなのか、本県の財政見通しについていかがかと、こういうお尋ねでございます。
今回、国のほうでは29兆6,000億円という対策を取られました。その中で議員がおっしゃるように22兆円の国債ということもございまして、今後の財政状況、政府側のことも含めて、懸念をしながら対策も取っていかなければならないということではないかと思います。今回の政府のほうでは、交付税では5,000億円の増額を決められました。ほぼ全額とも言っていいような40億円レベルで我々は配分を受けられるのではないかという計算の上に、全額投入させていただくと。そうやって、議員がおっしゃるように、これはこれで反転攻勢をかけていく、そのきっかけをぜひ最大限エンジンを吹かせる形にする必要がある、こういう認識であります。そして、また、そのほかにも
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金であるとか、あるいは、防災・安全交付金であるとか、こうしたところも40億円から50億円レベルの配分が見込まれるのではないか、こういうものも投入しながら、コロナ対策はもちろんですけれども、そうした地域での必要な事業に充てていこうと。子育てのほうの交付金等につきましても、やはり総額1,200億円ぐらいの配分がありますので、こうしたものもある程度見込んでいく。今、こうやって産業の活力とか、生活困難に対する対策だとかを取っていこうということであります。
例えば飲食店のほうでも、そうはいっても需要はまだ十分ではないかもしれません。そういう意味でお食事クーポンを増発していくとか、それから、粗利が減ったような企業さん、お店に対する対策、こういう助成も増やしていくとか、新たな挑戦をするところの応援の手だて、この辺も組ませていただく、最近厳しい燃料の高騰にあえいでいる運輸業界に対する支援策などを丁寧に盛り込ませていただいております。
また、全国旅行支援がある程度解禁をされてきていまして、こうしたところでも総額70億円ベースでの対策というのを取っていく、それに関連した予算措置なども計上させていただく。このような形と併せて、農業では肥料高、この影響が非常に厳しい影響があり、これも30億円規模で対策を取っていくと、このようなことをいろいろと盛り込ませていただいております。
それで、公共投資のほうでも、例えば地域高規格道路で20億円規模での増額をして、倉吉道路、倉吉関金道路、倉吉西インターから小鴨を経て、そして延ばしていくという事業の進捗を図って、次の4年間に向けて完成時期をできるだけ確かにしていくと、このようなことなども併せて盛り込むなど、公共投資やあるいは河川対策等も増額をさせていただく、このようなことを同時並行で今回つくらせていただいています。
また、あわせまして、孤独・孤立を防いで、温もりのある社会、絆の社会をつくっていこうと、こういう条例制定と併せた提案もさせていただいたり、子育て関係でも支援金は市町村のほうと協調してやっていくものを計上させていただいたり、こうした生活方面についても意欲的に組ませていただきました。
それで、確かに財政状況は心配だということは言われるのでありましょうが、先ほど申しましたような国の交付金をある程度見込みながら、そして交付税の増額分も全額投入しながらやっていくということです。あわせまして、90億円余りは補正予算債という特殊な起債を充当しまして、これにより実質負担も小さくさせていただこうと。そういう意味では、後年度に対する負担感というのはある程度緩和をしながら、最大限の効果を得るという形にいたしております。また、今後見込まれると思われます大雪につきましても、20億円計上させていただくことで、過去最大規模であっても乗り越えられることにしようということなど、今後の追加需要というものをある程度遮断できつつあると思っております。
ですから、そうした意味で、新年度以降、我々が4年間終えたときのベースで考えれば、現在、実質的な将来負担は大体3,600億円ぐらいということでありますが、財政余力を示すGDPの2割が3,700億円程度でありますので、100億円ほど余力を残しながら何とか引き継ぐことができるのではないか。あと、貯金のほうも、今222億円残る算段になっていますが、場合によってはこれも我々が可能な限りは少し積み戻して、次の4年間の体力をより強固なものにしておく必要があるのではないかというふうにも思っております。
そういう意味で、私どもとして、将来を考えた上での財政誘導目標をクリアすることは確実なものとなっておりますので、そういう意味で、議員も御懸念ではありますけれども、何とか務めを果たすことができるのではないかと思います。
ただ、他方で、来年度以降どうなるかということはあります。実はこういうふうにある程度堅実に今、財政をまとめることができつつありますのも、税収が割とシュアになってきたということです。大体、決算見込みベースで560億円ぐらいということであります。過去最大は570億円を超えてきますので、それには及びませんけれども、少なくともコロナ禍前の540億円台よりも上がってきています。これは地方消費税の税収が伸びてきているということがあったり、そうはいっても法人課税のほうでも一定の歳入が得られたということであります。ただ、これが、法人課税を中心として新年度以降どうなるかというのは見通せないところがあります。さらに言えば、国のほうで国債発行が続いておりまして、どちらかというと引締め感のある、そういう言葉が国の財政当局のほうからも頻繁に聞かれるようになってきておりまして、地方交付税も含めて今後どうなるかというのは新年度以降、展望しにくいところもあります。ですから、やはり、脆弱な体質である本県としては、なお引き続き厳しい見通しというものも持ち続けなければいけないのだというふうに思います。
次に、和牛全共につきましてお話がございました。第12回の鹿児島大会の総括と、今後、北海道で開催予定の大会に向けて和牛のブランド化等どういうふうに考えていくのかと、こういうお話でございます。
これにつきましては、議連のほうからも14名の方が鹿児島に向かっていただき、応援をしていただきました。このことに厚く感謝を申し上げたいと思います。そうした応援のかいもございまして、種牛の部においては健闘したと思います。前回大会を上回る成績を各区において一定程度残せたのではないか、特に第1区では優等4席という非常に高めのところにいきましたし、また、第4区、第5区等、狙っていた区で比較的高い、要はフロントラインの5位以内のところを確保するなど、それぞれ健闘されたと思います。そういう意味で、前の宮城大会の反省を生かして、これまで産地を挙げてやってきたことの成果があったのではないかと思いますが、肉牛の部のほうで、脂肪の質に重点が移ったことに本県が十分に対応できていなかったのではないかという反省があります。BMS値と脂肪の質と両方目指すということはなかなか得策ではなかったのかもしれません。また、種雄牛につきましても、やはり種雄牛の高度化ということをなお一層目指す必要がある。
このたび10月27日に、第1回の総括の会議を関係者で持ちまして、その後、現場レベルで話合いも重ねておりますが、例えば県の大会である県共を全共の言わば予行練習的に、機運醸成も含めて高めていく必要があるのではないかとか、また、肉牛の判定技術の向上であるとか、いろいろと今後に向けた課題というのも言われております。こうしたものを新年度以降、さらに積極的に展開をしていくことで、打開策というものが生まれ得るのではないかと思っております。そういう意味で、かつてよりも大分、私どものレベルも上がってきているところであり、非常に肉牛は期待値が高かったものですから失望感もあるようでありますが、決して見込みがないわけではないとお考えいただき、むしろ展望はまだ開かれ続けていると見るべきであります。
それを示すのが和子牛の市場でありまして、語堂県議も今コメントをされましたけれども、心配されていたわけではありますが、11月の競りでは65万4,000円と非常に高い数字になりました。これは、今回、肉牛の部で注目をされた島根県の64万円程度を上回りますし、鹿児島だとか宮崎よりも市場価格は高いです。我々の上を行ったのは、今回躍進が目立ちました北海道、それからあと、従来から高い淡路など兵庫の市場、こういうところはやはり子牛のメッカでありますので高めでありますけれども、そういうところに次ぐポジションというのは、今まだ確保できているということでありまして、またこれからまき直していくことで農家の皆さんも種牛育成ということをしっかりとやれるだけの価格にはなっていけるのではないかと思います。
そういう意味で、今後どういう戦略でいくかということでは、一つはやはり種雄牛造成を我々は考えていくべきだと思います。実は今、私どもの手元のほうで期待値が高まっているのは、菊花久という牛、それからあと智頭白鵬という牛であります。菊花久は検定が終わりましたが、BMS値で10.1ということで、過去最高でございます。白鵬85の3等も上回ります。さらに智頭白鵬は、今まだ検定途中でありますが、この菊花久も上回るBMS値になっていますし、また、脂肪の質のオレイン酸のほうも53を超えるレベルでございます。また、ロース芯の面積もこの菊花久、智頭白鵬、ともに大きめでございまして、このたび試験牛を菊花久が出しましたが、ロース芯の面積が75平方センチとかなり大きく出て、BMSも11いっていました。
試験牛の段階というのは、どちらかというと全共本番に近いタイミングで出ていくものでありますので、全共はちょっと普通よりも若めに出るのですよね。ですから、そこのところがちょっと不安定だったのではないかというのが今回の反省であるのですけれども、菊花久はそこのタイミングでも結構いい成績が出ているようです。
智頭白鵬も能力がかなり高くて、非常に関係者も期待をしているところでございます。ロース芯の面積も85平方センチを上回るぐらいになっていまして、今のところ、検定途中ですけれども、今後総括してみれば非常にいい値になるかもしれません。
こういうような手元の、次の北海道を狙える牛というのも出てきておりまして、こういうのもベースにしながら戦えるのではないかというふうにも思いますので、決して悲観し過ぎることなく、次への戦略を立てていければと思います。
また、ブランド化という意味では、先ほど申しましたようにそんなに値段が下がっているわけではないと、やはり鳥取の和牛の評価というのは一定程度確立されてきた5年間だったものですから、そうそうそこが崩れるわけではなくて、足し算だと思います。そういう中で、このたびも、ボキューズ・ドールに出られる石井シェフという東京のシェフがおられまして、そこのレストランのアルジェントで実はフェアをさせていただきました。このアルジェントでのフェアに当たりまして、石井シェフと併せて境港出身で今、星のや東京のシェフをしています浜田さん、それから、今、神戸のほうにお店を出されています、我々が日頃お世話になっている高山シェフ、このお三方のシェフそろい踏みでキャンペーンもやったりしまして、非常に高い鳥取和牛の評価をいただいており、お客様も大変好評でありまして、売り切れ状態でありました。また、現在も続いていますが、ホテルニューオータニのほうでも、先日、グランシェフ(総料理長)の中島シェフとお会いしましたけれども、非常にやはり評価が高くて、今、外国人客が戻ってきていますが、外国人客にも神戸ビーフと同じような評価をもらえていると言っています。実は年に1回のフェアでやっていますが、もっと増やさないかという話が今、ニューオータニ側からも出てきているというぐらいになってきています。生産農家が鹿児島や宮崎ほどありませんので、鳥取和牛はそんなに数はたくさん出るわけではないです。ですから、そうした高級志向で食い込んでいくというのは、一つの戦略ではないかと思います。こうしたことなど、今後の展開を図っていければと思っております。
それから、農業関係につきまして何点かお尋ねがございました。今後の農業として、やはり生産性向上に資するような
スマート農業だとか規模拡大、担い手確保に重点を置くべきではないだろうか。また、災害に強い生産基盤を確保して、今冬への備えということをやっていくべきではないだろうか、また、国消国産、地産地消、こうした食のみやこの鳥取の推進を図るべきではないか、こういう観点のお尋ねがございました。
これにつきましては、おっしゃるとおりなのだろうと思います。そういうようなことで、確かに今、担い手が、特に基幹農業者というのは減少傾向であります。ただ、高齢化が進みますので、どうしてもそうなるところがあって、問題は新規の就農者をどうやって増やしていくかではないかと思います。本県では平成20年頃から随分政策をまき直しまして、全国に先駆けて農の雇用というものを推進していく補助制度をつくったり、また、アグリスタート事業ということを始めたり、また、農業大学校と一緒になりましてハローワークの農業版をつくっていく、こういうことなどを展開していって、現在、百数十名規模では毎年のように新規就農があるようになりました。ぜひ200人を目指したいということで、今進めているわけでありますが、一定程度の新規就農者は従来よりも増えてはきていまして、そういう意味で、基幹農業者は減ってきていますが、そうした方々の参入というものを一つ確保することが重要ではないかということです。
そういう生産力を上げる意味で
スマート農業というのもテーマでありまして、補正予算も含めまして、この
スマート農業の採択幅というのを広げて新しい農業機械の導入であるとか、あるいは、宇宙から眺めて生育状況を見る試験であるとか、こうしたことなどを積極的に展開したりしておりますし、担い手農業者、あるいは農業法人の規模拡大を進めるための機械化等の支援事業、こういうところも手厚くさせていただいております。特に低コストハウスはやはり効果がありまして、スイカでも過去最高単価を記録し続けてきているなど、やはり生産の向上にはつながっていると思います。
また、梨につきましても、モデル補助というものを積極的につくっていこうということでございまして、例えば、最近でも琴浦町の高野であるとか、それから、今年から収穫が始まりました中部の中興寺は湯梨浜の選果場の近くでありまして、そういうところで8人ほど今、入植をされまして、ベテランの方と新人農家さんとが一緒になって支え合いながら展開をしていくと。こういうところで、例えば新甘泉とか王秋梨とか、そういうものを従来型の二十世紀梨と併せて栽培していくことで、切れ目のない収益の高い農業を展開していくと、ジョイント整枝だとかそうしたものも展開していく。こうして生産力というのを上げていくことが重要でありまして、最近の梨の傾向からいえば、平成17年ぐらいから比べますと、経営体当たりの生産額、産出額は倍増しているということであります。ですから、確かに農家の数は減ってきてはいますが、それを何とか生産力の増強などで補って、むしろもうかる農業というような状況をつくっていこうということであります。
災害対策も重要でありまして、この冬も
ラニーニャ現象の影響で、雪が平年よりも降るのではないかという心配がされます。そういうような長期予報も踏まえまして、先月の下旬から、例えばスイカの産地、梨の産地等々で今、研修会を進めております。先ほどの低コストハウスにつきましても、ハウスの造り方として、例えば孟宗竹で柱を立てて支えていく、あるいは、低コストハウスの高さを20センチほど上げて傾斜を少し強めにして雪が落ちるようにする、また、骨組みの造り方もX字型で骨組みを造ることで丈夫にする等々、いろいろと耐雪型のハウスというものを日南町で試験させていただいた結果に基づきまして、これの普及をさせていこうということも今やっているところであります。12月14日は園芸試験場で農業用ハウスの雪害対策の研修をしようということもいたしております。
こういう大雪等の場合について、機動的な支援が必要だということでありますが、例えば青谷のイチゴのハウスで、割と新しい農家さんに被害があったときがありましたが、このときもJAさんと協力をしながら、県も出て援農隊を組んで支援をしたり、それから、実は八頭のほうで使っていた試験用のハウスを移設しまして、その農家で引き続き使っていただくことによって、営農意欲というものをそがないように協力をさせていただくということもいたしたところであります。
これは雪ではありませんが、例の北栄町の双子ため池の水害がございました。この後、やはりこれも援農隊を出して、一気に片づけをしていこうということをして、それで今、ハウスの復旧事業を関係者と一緒になりまして、県も支援して進めているところでございます。今、9棟の復旧が進んでいますし、それから双子ため池につきましても現在その復旧工事が進捗をしているところでございます。このような形で災害後のアフターケア、フォローアップというのも非常に重要でありまして、地域の絆を生かしながら進めていければと考えております。
食のみやこの運動というのは、最近もJAさんが国消国産ということを言い始めて、非常に我々の運動とも連動してきたと思います。ぜひ、JAグループ、全国を挙げてのこの運動とも連携をさせていって、地産地消というものを進める、国消国産というのを進めていければと思います。
議員のほうから、小麦やキクラゲのお話がございました。小麦につきましては、ここ10年で実は100倍、230トンレベルまで伸びてきています。これはもともとは、本県も小麦栽培をしっかりやって、地産地消のパンを作ろうと、米子の麦ノ屋さんというところと、それから大山のほうでも岸田牧場さん、こうしたところが連携をして、ミナミノカオリという品種を植えることから始まってきたということでありまして、それが今、例えば琴浦町の地輝というグループのところで、さらにそうした小麦生産ということを拡大する。その中で、例えばラーメン屋さんで小麦粉は地元の小麦を使うという動きが出てきたり、パスタの原料として地産小麦を使うということができてきたり、大分、今、かみ合ってきていると思います。初期の頃はちょうど鳥取バーガーフェスタをやっていた頃でして、そのバンズですね、パンのところを、地産地消小麦を使って大山こむぎでやるということを売りにしてお店も出されたりしていました。それが今、こうやって発展をしてきているということであります。ただ、まだまだ生産量としては、当然ながら北海道だとかそうしたところには届かない、地元の需要という程度だろうというふうには思いますが、こういうのもやはり支援をして拡大をしていく値打ちのあることではないかと思います。
キクラゲについては、ほとんど中国産などの輸入に頼っているのが日本の実情でありますが、先般、東京の県人会のときも、リンガーハットの米濱会長さんともお会いをさせていただきました。国産は大体、今、3%程度なのですが、リンガーハットさんに本県でキクラゲ生産をやらないかというふうに持ちかけていただき、それで地元でも協力をして生産するということを進めてまいりましたが、現在では事業所も増えまして、大体268トンベースぐらいまで引き上げてきています。この生産量というのは、全国ナンバー1になりました。こういうことで、ほぼ中国等に独占されていたキクラゲ生産、国内での一つの橋頭堡を鳥取で今、築きつつあるということであります。
こういう食料安全保障とも言うべきことというのは非常に重要なのだろうというふうに思います。その基として、地産地消を進めようということでありますが、今シーズンは「もっと地もっと食べよっと!」というスローガンで、今、各スーパーマーケットとかお店でも展開をしてきておりまして、特に今、餌代が高くなってくること、あと、牛の値段が、特に乳牛系のところが下がっていることなどもありまして、その牛とか豚の生産の応援をしようと、これはJAグループのほうで音頭も取っていただきまして、12月20日まで、今、とりちくさんだとか東伯ミートさんの店舗で割引セールということを展開しています。こういうような地産地消フェアを積極的に展開していくことで、今のこの農業の苦境を乗り越え、それで安全保障という意味での食料の生産というものも図っていけるのではないかと思っております。
和牛肉の日という9月29日を中心としまして、鳥取和牛を売り出していこうということを、例えば皆生の温泉旅館とか各地で応援をしていただいてやっておりますが、この参加店舗も今、40店舗以上に増えてきました。何とか民間の皆さんとも一緒に協力をしながら、議員がおっしゃる国消国産、地産地消というものを強化していければと思っております。
次に、豊かな
森づくり協働税につきましてお尋ねがございました。
これにつきましては、議員もおっしゃっておられましたが、もともと本県は、
森林環境保全税という税目を持っています。これは正確に申し上げれば、住民税の均等割における超過課税であります。このやり方でこれまでもいろんな実績を上げてきました。もともとのこの
森林環境保全税は、環境という言葉もあるわけでありますが、山には経済林という、要は植えて切ってもうけるという、そういう作用の森林があります。そうではない環境林と言われるような、例えば広葉樹を植えて山を保全していくとか、そうしたことなど、経済とはまた別の観点で山の価値というものを求めて、もうからない山の運営ということもあり、そこに税金を投入していこうという
森林環境保全税というものを組んでいたわけであります。これも長年実績が積み重なってきまして、最近では、例えば住民の皆さんの森を守る運動への参画ということに使っていこうというようなことでありまして、これまでで延べ8万人の方が、そういう森を守るようないろんな活動に参加していただくようになっています。これをこの
森林環境保全税で支えていると。例えば森のきこりんというのもその一つであります。
また、竹林、竹が大分里山を弱くしていると、この竹というものを活用した事業に展開していこうと、その竹林整備にも使えるようにして、これも里山を守ることにつながってきているのではないかと思います。最近は例えば兵庫県の赤穂のほうのカキいかだに鳥取の孟宗竹を活用してやっていこうというマッチングも図られたりしておりまして、一定程度前進していますし、竹林整備には非常に欠かせない財源にもなってきたところであります。ですから、当初の設計図から少しずつ離れながらも、形を変えて森林を守る、そうした税金として定着していたものがありました。そこにこのたび新しい税金、森林環境税を国税で取るということになり、現在、譲与税という形で市町村中心に配られているところであります。これで一定程度は賄われることは事実なのでしょうが、私どもも県政参画電子アンケート等を活用しながらやってまいりましたが、やはりこれは続けるべきではないかという議論が大勢でございまして、では、同じような考え方で森を守る運動を展開していこうと、それで
森づくり協働税ということをやっていこうということにいたしたわけであります。
その目標とするところは、2つほどございます。一つは、県民の皆様の幅広い参画も得ながら、県民による森づくりというのを進めていこうということ、あともう一つは、豊かなこの森林を次世代へと継承していくと、そのためにこうした財源を活用していきましょうと。これらを従来は市町村への支出という一定の割合もございましたが、市町村のほうは森林環境税で今後は賄えるようになりますので、県のほうのお金として使っていこうと、こういうようなことで今もくろんでいるところでありまして、ぜひ御理解いただきますように、今議会で御審議いただければというふうに思います。
今、COP27ということもあり、CO2の吸収源としての森林の役割というのも非常に大きく意識されるようになってきました。また、森で従事する若い方々なども増えてきておりまして、やはり中山間地を守っていく、そういう雇用の場としての森林の機能ということも従来よりも高まってきているのではないかと思います。竹林整備も含めまして、この豊かな森林というものを次世代へ継承していくと、そういう意味で県民の皆様の幅広い参画も得て森づくりを一緒に進めていく、そうした理念に基づく新しい超過課税として森林をつくる、そういう協働税をつくらせていただきたいと考えております。
最後に、私のほうには中学校の休日部活動の地域移行について、県執行部側の関与という観点でのお話がございました。
これにつきましては、例えば鳥取市では鹿野町において鹿の助スポーツクラブを一つの受皿にしてやっていこうという実証事業が展開をされています。また、境港におきましても、地域の体育施設などを活用して、中学校のスポーツクラブ活動を引き継いでいく、今、そういう動きを実証事業としてやっていただいていまして、これは全県で、多分、教育委員会のほうで展開していくことになります。今年度というよりは新年度以降、それをさらに本格化させていくということになろうかと思います。
地域のそうしたスポーツ活動というものや選手の育成というものは、特に市町村の事業という面が強いですが、やはり執行部側のほうでもいろいろと協力して、市町村と協働してやっていければというふうに思います。鳥取県のほうで今までやってまいりましたのは、総合型
地域スポーツクラブを全市町村に展開していこうということを私も就任以来、公約にも書いて進めてきまして、現在では21団体できております。こうした地域の総合スポーツクラブがその受皿の役割を中学校の部活動でもなし得るのではないかと思われますが、例えば北栄のスポーツクラブなどはそうした可能性を今、現実に模索をしているところです。バドミントンとかバレーボールだとか、そうしたところで地域を統合しながら、受皿として中学生のスポーツ活動の後押しをしようと。これはほかの地域でも当然ありますし、特に中部では、1市4町でこの学校のクラブ活動の受皿づくりについては協調しながらやっていこうではないかという話合いも今、なされているところであります。私どももそれを側面支援するということになるわけですね。こういう地域の総合スポーツクラブに対しまして、例えば指導者を育成していくお手伝いをするとか、それから、アドバイザーの派遣であるだとか、やはりスポーツクラブの運営がありますので、そういう運営の支援を、モラル支援を図っていくとか、いろいろと今、事業も手がけているところでありまして、今後中学のクラブ活動のことも考慮しながら展開をしていくのかなと考えます。
また、スポーツ少年団も非常に幅広く、今では全県に展開をされるようになってきておりまして、165団体、3,000人が参加をするという規模にもなってきています。こうしたものなど、地域のスポーツ活動というものの応援は、しっかりと我々執行部側のほうでも考えていきたいと思います。
また、あわせまして、トップレベルの選手ですね、このたび入江聖奈選手が引退をされる日本選手権で見事、優勝をされ、報道も大きくなされているところでありますが、それに限らず、例えばボクシングだとかアーチェリーだとかボートだとか、そういったところでジュニアアスリートの養成事業が効いてきています。もともとは東京オリンピック・パラリンピックを目指す子供たちが、大都市部でなくて、鳥取に住んでいたがために出られないということにならないように、その応援をしていこうと、こういう発想の下に始めたわけでありますが、東京オリ・パラでも一定の成果を上げることができ、パリを目指す選手も出てきています。
昨日はクライミングの倉吉体育文化会館がJOCの継続指定になりました。丸会長と競技団体とお話合いをさせていただきましたけれども、その場所におきましても、例えば高田選手がいらっしゃったり、それから最近もジュニアアスリートの関係では鳥取中央育英高校の多月さんという選手、こうした有望な選手も出てきておりまして、やはりジュニアの段階からそうした育成を図っていくことは非常に重要だと思います。この辺は、言わば全県的視野でやっていくべきものでもあり、これからパリ、あるいはさらにはいずれ国民スポーツ大会なども鳥取県で予定されますが、そうした選手育成の観点も含めたアスリート養成も我々のほうの重要な務めと考えまして、展開を強めていければと考えております。
◯議長(内田博長君)足羽教育長
◯教育委員会教育長(足羽英樹君)語堂議員の代表質問にお答え申し上げます。
3点お尋ねがございました。2点は、高校の魅力化に関しまして、各校の特徴に合わせながら、関わりの輪が広がるような魅力化を進めていくべきではないか。そして2点目は、その中心となる
コーディネーターの設置に関して、
コーディネーターが共に情報共有したり、今後の対応策を検討できる、そんな機会、関係性が構築できないかというお尋ねでございました。
今、子供たちを取り巻く環境は、本当に不登校の課題はもちろんですが、インターネットやSNSを通じた被害あるいは加害になるケースもあることや、さらにはヤングケアラーと呼ばれる子供たちへの対応等、学校だけでは解決できない課題が多々ございます。そういう意味で保護者はもちろんのこと、地域の力あるいは市町村の福祉部局の力等を絡めながら、そうした課題解決に向けて取組を進めていくことが非常に重要だろうというふうに思っております。
コミュニティ・スクールのお話もございましたが、これは9月議会で福浜議員さんのほうにも回答をさしあげたところでございますが、そうした様々な課題、子供たちをどんなふうに育てていきたいのかを、家庭、地域、市町村一体となって取組を進めていこうとする仕組みが学校の中に設置される協議会、コミュニティ・スクールであり、一方で地域の側にある
地域学校協働活動がそれぞれ両輪となって、そうした子供たちの課題解決に向けて取組を進めていくことが必要となっているところであり、今このコミュニティ・スクールの設置推進を図っているところでございます。県立学校では、今年度中に全校で全て特別支援学校も含めて設置をすることとしており、今後はその中身の充実に向けた取組を進めていきたいというふうに思っております。
そうした様々な課題解決に向けては、例えば高校のほうでも地域課題解決に向けた取組を各校がそれぞれ進めております。議員さんの地元の鳥取中央育英高校では地域課題探究の時間を設定して市町村、そしてまた地域の課題解決に向けた取組を実地体験的な形で進めているところでございますが、そういう中でこうしたコミュニティ・スクール、そしてまた
地域学校協働活動の形を絡めた形で取組を進めていくということは、今後ますます重要になってくるであろうなというふうに思っております。
11月に、そういう意味でコミュニティ・スクールの推進研修会を淀江町さなめホールで実施いたしました。地元と中心になって取り組んでおられる岩美町、そして岩美高校の校長先生が登壇されて、その取組状況等を全県に発表されたところでございます。
そういう意味で、そうした関わりを広げていくということは非常に重要であり、私は、2つの「わ」という言葉でよくこれを表現します。1つは結束する、集合体の「和」、平和の和ですね。そしてもう一つは輪っかの「輪」はつながりをつくり上げていくということ。この2つの「わ」が、それぞれこうした学校の魅力化につながるような形で、地域を巻き込んだ取組として展開できるように、今後も進めてまいりたいというふうに思っております。
その中心的な役割を担う
コーディネーターのお話がございましたが、この
コーディネーターというのは、県のほうの設置ではなくて、各自治体が地域おこし協力隊としてその地域の活性化、そしてその地域にある高校の魅力化を活性化に向けた取組として進めていくために、配置をされていらっしゃるものでございます。現在、岩美町で2名、智頭町で2名、そして日野町で1名が、それぞれの学校にそうした連携を図るべく配置をして、事業の企画や情報発信、さらにはフィールドワークを生かした設定をしていかれるなど、多岐にわたって活躍をいただいているところでございます。
そうした方々の関係づくりは本当に大事なものであって、私の高等学校課長時代にはその3町に3名おられました。その場で、そうした協議の場も設定をしたことがございますが、それ以後は任期があるもので、日野町にしか
コーディネーターが配置されていなかったことから、そうした連携が図れなかったという事情がございましたが、このたび智頭のほうでも、そして岩美のほうでも配置がなされたことから、この5名の方、そしてまたさらに関係者を招いた研修会を先週、12月1日に実施して、議員さんから御指摘があったような情報共有、そして今後の取組に向けたその意欲の喚起につなげた研修会を実施したところでございます。県教委としてもこうした仕掛けをしっかりしながら、高校の魅力化と併せて地域の活性化につながるような
コーディネーターのさらなる活躍に向けた取組の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
3点目に、部活動の地域移行のことについて、お尋ねがございました。今後の学校現場や
県教育委員会の進め方、関わり方ということでお尋ねがございました。
この課題は、令和2年に遡りますが、9月に国のほうから教員の働き方改革という視点で、この部活動改革の通知がなされたところであり、早速すぐ翌年、3年度から検討会を立ち上げて協議をしてまいりました。ところが、このたび、いきなり高等学校がその話題から外されまして、中学校だけの地域移行というふうなことになったところであり、現在、市町村教育委員会とも連携を図りながら、具体的に来年度以降どう進めていくのかということを検討しているところでございます。
議員から御指摘がありましたように、先ほど知事も御答弁なさいましたが、受入れ団体となる母体をどう設置するのか、さらにそこには関わる指導者の課題、そしてまたクラブ活動になりますので、新たな保護者の方々の経済的な負担が発生をいたしますし、では、移動が必要になったときの送迎はどうするのか、様々な課題が山積しているところであり、私も部活動指導者経験者として言えば、子供たちのそうした活動機会は部活、スポーツだけではなく文化もです。そうした機会確保に向けて、今後ますます市町村教育委員会としっかり膝詰めで話を進めていきたいと思っております。
11月には、全19市町村の教育長さんはもちろんですが、町長さん、市長さんにもこの課題共有をしてもらいに、私も奔走して話を進めてまいりました。なかなかすぐに解決の糸口が見えないのが現状でございますが、まだ現時点で国からの正式な通知、方針説明もない状況でございますので、それらも踏まえながら、来年度以降、そうした県の方針、そして市町村の方針が明確に固まって、子供たちの活動機会の確保に向けて、全力を尽くしてまいりたいと思っております。
◯議長(内田博長君)4番語堂議員
◯4番(語堂正範君)るる御答弁いただき、ありがとうございました。1つずつ議論、追及をさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
まずは新型コロナウイルスと経済の両立ということで、知事から御答弁いただきました。コロナ対策をしっかり行うことによって、予防を行うことで、経済のほうの対応をしないで済むということで、鳥取県では行われてはいないですけれども、自粛要請とかそういうものをせずに済むような状況をつくっていくためにも、まずはコロナ対策をしっかり行うことが重要だという話だったと思います。また、財源的にも措置をされるということですね。やはり両立というか、両輪といいますか、止めることなく、しっかりと行っていただきたいというのが私の思いではありますし、またよろしくお願いします。
また、
鳥インフルエンザの件なのですけれども、やはり、コロナと一緒に広がっているという話がありました。実際問題、ほかのところの養鶏業者、農家にうつらないことが重要だと思いますので、さらなる徹底をよろしくお願いします。
続きまして、健全な財政運営と財源確保についてですけれども、実際問題、国が引締めにかかるということがあるということで、そうなってくると、やはり財源確保の中で交付税が頼りになってくる。財源の少ない鳥取県というのは、かなり苦しい状況になり得るのかなというところを感じさせていただきました。ただ、小さい鳥取県でも行えることをしっかり行うことによって、また効果的なものを、施策を打っていただくことによって緩和できるのかなと、自分自身は感じております。何はともあれ、よりよい形で健全財政を維持していただくことが重要だと思うのですね。継続的によろしくお願いします。またこの観点で1つ追及させてください。
年の瀬が近くなりまして、ふるさと納税というフレーズをよく聞くようになりました。総務省の調査によりますと、令和3年度に全国のふるさと納税の実績は2年連続で増加しており、全国同様に本県でもその傾向があるとのことです。コロナ禍による巣籠もり需要や急速なデジタル化などにより、地方に目を向けていただく機会が増えるとともに、ふるさと納税を通した地方を応援する仕組みづくりが定着し、広がりが見られるのではないかと考えます。関係人口創出を切り口とした、さらなる地方創生の推進を期待しております。
また、鳥取県では、ふるさと納税制度を活用し、NPO法人や住民団体等の地域づくり活動を支援する新たな仕組みとして「ギフ鳥」がスタートしました。この取組は、団体等の運営費として活用できるなど、持続可能な活動を促すものであり、時代に合ったすばらしい取組と自分自身は考えます。始まったばかりの取組ではありますが、今後の発展に向けて、団体間の情報共有化、また、団体情報の発信への支援、県人会や関係人口など、本県へ親しみを持つ方々への周知などが必要と考えます。ふるさと納税を活用した「ギフ鳥」の推進方法と今後の発展の可能性について、知事の所見を伺います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)語堂議員から引き続き御質問いただきました。
新型コロナ、
鳥インフルエンザ、それぞれ対策をしっかり取って、防疫対策、感染拡大防止というのがキーだと思いますので、そこに重点を置きながらやっていきたいと思っております。そういう意味で新型コロナにつきましては、経済社会に過度な影響を与えないような、そういう手法を取るべきだということでありますが、我々もそうした方向性をぜひ追求したいと思っております。
私の肌感覚からいえば、恐らく年明けになると大分空気が変わってくるのではないだろうか、今の第八波は残念ながらもう始まってしまっていまして、政府はここで言わば方針変更ができるかどうかというのは分かりませんが、これが終わった後は今のオミクロン株系が続く限り、治療方法の確立をする、それからワクチンを打っていく、こういうことと併用しながら、一定程度やり方を変えていくという方向になり得るのではないかと思っています。そういうこともにらみながら、抑制的に行動を制限することも重要なのですけれども、それは予防に協力をしていただくという範囲にとどめながら、私どもとしては、鳥取県独自の医療、それからクラスター対策、こういうところの有効性というのをさらに高めていくと。こうしたことで、何とか今の困難に立ち向かってまいりたいと考えております。
「ギフ鳥」につきましてお話がございました。これは、ふるさと納税の仕組みを使いながら、80%はそちらの団体のほうに供与するというやり方であります。タイプとして2タイプ、返礼のあるものとないものとございますが、いずれにいたしましても、それぞれの団体の活動に資するようなことを、幅広い寄附を集める形で進めていこうというものでありまして、言わば日本にあまり根づいていないチャリティー文化はすばらしい活動なので、自分は共鳴して資金的に協力しますよという文化を本県においても起こしていくことができればと考えております。
これにつきまして9月に入りましてスタートをしましたが、そのPR活動を始めておりますし、例えばふるさと納税の言わばアピールと併せて、こういう「ギフ鳥」という団体支援ということもできますよというようなことのアピールをさせていただいております。その結果、現在302万円集まってきております。エントリーしている団体は27団体でありまして、その中には、NPO法人未来さんのように100万円の目標で既にそれをクリアしている、そういう団体も出てきております。まだ始まったばかりで、特にふるさと納税は12月に極端に伸びる季節がやってきますので、これからが一つの勝負どころかなというふうに思います。
ただ、これは、やはりアンケート調査で5割以上の団体が資金に苦しんでいると、困難を抱えているというアンケート結果に基づいて始めたものでありますが、このような寄附を集めるということは本来そう簡単ではないのですよね。ふるさと納税だと負担感が減りますので、チャンスは広がるわけでありますが、それに合わせて、やはり積極的に団体のほうも活動のアピールをするということがなければいけません。
実はこういうクラウドファンディングには、3分の1の法則と言われるものがあると言われています。クラウドファンディングで集まってくるものの3分の1は直接の支援者や友人たちで、それから3分の1が友達の友達、支援者や友人たちの友人や知り合い、それから残る3分の1が今まで縁のなかった人で共鳴した人。漠然とどうもこういうことを、いろいろクラウドファンディングを仕掛けられたり、いろいろと呼びかけをされる方々は確かにいらっしゃるのですが、実は手を挙げたら集まってくるというものではありません。
だから、やはり日頃の活動で、ここの活動はしっかりしていて重要で支援者がいる、そこに立ち入って活動に度々関わられる方々がいる、そういうところほど実はそうしたクラウドファンディングが集まるものであります。ですから、そうしたいろいろなコミュニケーションの取り方などの研修だとか、我々からの仕組みの啓発事業とか、そうしたものも展開をしながら、言わば寄附の受け手側の能力アップを図って、それでこの「ギフ鳥」という事業も初めて成長していけるのではないかと考えております。まだそうした取組を始めたところで、今そうしたPR事業などを手がけ始めたところでありますが、ぜひこれを、PDCAサイクルを回しながら、よりよい形で寄附文化の醸成、それからこうしたNPO法人等の活動支援の拡大につながるように、新年度以降に向けまして展開を強めていきたいと思います。
◯議長(内田博長君)4番語堂議員
◯4番(語堂正範君)御答弁いただき、ありがとうございます。
私は、やはり地域団体と関わる中で運営費の問題は大きな課題だと考えていました。今回の「ギフ鳥」は、先ほど言われたように挙げたから入る仕組みではないというのはそのとおりなので、やはり組織の物差しになってしまうというか、PRをしなければいけないという何かその促進の部分にもなるのかなと思っています。自分の中でもっと少ないかなと思っていたので、今の時点で302万円は、高い数値になっているのかなというのと、12月にかけて、またふるさと納税される方が増えるということなので、すごく期待しております。自分の中で、ふるさと納税の中で伸び代がある事業になるのかなと思っていますので、期待しながら、これからも頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、続きまして、和牛全共の結果と畜産振興ということで御答弁いただきました。
今回、大会のレギュレーションになかなか対応できなかったところと、また、種牛の高度化というところで課題が見えたという話を聞かせていただきました。毎回大会ごとに、この共進会のレギュレーションが変わるので、また北海道に向けていろいろと備えることがあるのかなと思ったりしますけれども、頑張っていただき、また種牛の造成をよろしくお願いします。
それでは、ちょっと追及をさせていただくので、よろしくお願いします。
現在、世界情勢の不安定化や円安に伴う肥料高騰が深刻化しています。環境保全、循環型の農業も求められる中、堆肥を活用した耕畜連携、農畜連携は今まさに推進すべき課題の一つと考えます。推進に当たっては、堆肥舎・堆肥化施設の改修といったハード面での基盤整備や、JAなど関係団体との連携、堆肥との相性がよい作物の研究など、生産・供給・活用体制の充実強化が必要であると考えます。堆肥の活用をどのように考えられるのか、現状の認識と今後の取組方針について、知事に伺います。
また、飼料も同様に高騰する中、輸入に頼らず、自給できる飼料用米の生産・活用も重要だと考えます。生産調整が続く主食用米から飼料用米への転換はこれまでも行われてきましたが、食料安全保障の観点から、もう一段階アクセルを踏み込む必要があるように考えます。国において飼料用米の安定生産へ向け、収量が多く、家畜の餌として最適化された専用品種への転換を重視する転作助成見直しが検討されている中、本県においても専用品種の安定生産に向け、研究の推進や専門の貯蔵施設などの基盤整備、畜産農家に対する給餌ノウハウの助言など、生産拡大、活用推進に向けたさらなる対策が必要と考えますが、知事の所見を伺います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)語堂議員のほうから、堆肥あるいは飼料用米につきましてお尋ねがございました。
堆肥のことにつきましては、今、みどりの食料システム戦略というものをやっていこうと。法律も成立をしまして、本県もその戦略づくりを進めているところでございます。その一つの重要な柱になるのは、こういう堆肥による循環的な肥料生産でございます。
現在、JA鳥取中央さんでは3万4,000トンのこういう堆肥の活用ということを進めておられますが、施設がだんだん老朽化してきておりまして、そういう課題を抱えながら進めておられます。大体8割ぐらいは活用できているのですね。具体的には、スイカ農家とかブロッコリー農家を中心としまして使っておられるところもございます。ただ、その多くはマニアスプレッダーという特殊な機械を派遣しまして、それで要は堆肥をまくというやり方でございます。1部、10キロ450円ぐらいの袋詰めにしまして、使いやすい肥料生産ということもJA鳥取中央さんはされていますが、まだその割合というのは小さいものでありまして、それから2割程度はやはり活用できないままにもなっているというのが実情であります。それを、こうした状況を言わばもっと変革をしていく、これに合わせて今の堆肥関連設備の老朽化というものを解消していくということで、話合いを続けてこられましたけれども、JA鳥取中央さんのほうで今、更新をしていこうというようにされました。それは大成とか、あるいは東伯中央とか、そうしたところの施設を改めていくということでありまして、お金は大分かかりますけれども、それをまた国の制度を活用したり、県のほうでも支援をしたりして、何とか実現に持っていければなということであります。今のもくろみとしては堆肥だけではなくて、例えば電力のほうでも出てきたものを活用、さらに循環利用するとか、それから食品の残渣とかそうしたものなども含めて、それを言わば肥料の原料にしていくと。それでペレット化するなどして、使いやすい、そういう肥料生産ということに結びつけていけないだろうか。そうした大きな視点で今、計画を練っているところでありまして、私どももこれを支援しながら、こうした堆肥の活用、それによる肥料高に対する対抗措置というものを強めていければというふうに考えております。
また、飼料用米につきましては、これも近年、生産は本県内でも上がってきました。ただ、ここに来て、国のほうの交付金の出し方が変わるのではないかという騒ぎになりました。国のほうでは多収米でやっていくということで、従来、本県の場合は日本晴とかコガネヒカリを使っていたということであります。これらが交付金の対象から外れてくると、非常に経営が難しくなる、それで飼料用米の生産に関わるのではないかと思われていましたが、こういう知事特認の品種についても対象にする方向で今、国も軌道修正されているようでありまして、何とか従来のやり方を続けていくことは可能だと見ております。そうであれば、また新年度以降も、今こうした飼料用米生産に向けた国、地方で1万円というような、そういう助成のスキームというものを維持していって、飼料用米生産というものをしっかり確保していければというふうに思います。
ただ、例えば柳谷ファームさんとか、そうした大型の水田農家の場合には、みなちからなどの多収米を現に生産をしていまして、大型の農家なので、大型のコンバインを活用できるわけですね。そういうものがないと、こういう多収米の茎が太くて重たいものというのはなかなか処理できないものですから、そういうのを持っておられる農家さんはそういうのをやはり使っていくということはあり得ますし、これは飼料メーカーと連携をして直接売っていくということで出していったり、あるいは県内の農家さんに直接出したりというようなルートがあるわけですね。この辺もやはり一つ、しっかりと推進していく柱にもなるのではないかと思います。
こうした飼料用米につきましては、牛向けにはソフトグレインサイレージを活用することによって給餌が可能である。また、鶏などは玄米で供与するということで提供が県内でも回り得るのではないか。これは、畜産試験場のほうでもいろいろと試験を重ねまして、そういう結果も出てきており、これを給餌、こういう飼料用米の活用で生産上、あまり遜色ないですよということは農家の皆様と共有をして、こうした飼料用米の活用というものを積極的に働きかけもしていきたいと思っております。
このようなことで、堆肥だとか飼料用米の生産あるいは活用の推進を図ってまいりたいと考えております。
◯議長(内田博長君)4番語堂議員
◯4番(語堂正範君)御答弁いただき、ありがとうございます。
肥料が高騰する中、堆肥の活用はやはり必要なことだと思いますし、きちんとできる体制づくりも必要だと思います。石炭の残りかす、残渣など、そういうのを使って広く、よりよいペレットを作るように構築していただければと考えます。
また、飼料用米の件ですけれども、国の方向性が変わったということで、従来の日本晴等を鳥取県の場合、活用したいということがありました。現場のほうもやはり建物等の更新やコンバインの更新など、お金がかかるところなので、そちらのほうがいいのかなという話にはなってきているのだと思います。ただ、今後こちらのほうを推進するに当たりましては、やはりその建物の問題とか、それこそ食用米のほうもまた出ているのかもしれないですけれども、そういうところをよりよい形で構築していただければと考えます。
それでは、追及させていただきます。
従来からの後継者確保、また、新技術導入に関する問題をはじめ、現在の物価高騰や目前となったインボイス制度の本格開始など、国内外の情勢の目まぐるしい変化に伴い、農業者は新たな課題への対応を求められています。農業改良普及所は、商工会のよろず支援のような農業者が気軽に相談し、課題を解決できる場であってほしいと考えます。課題の複雑化に体制が追いついているのかと、少し問題に感じます。担い手不足が進む中、農業者にとって身近で頼りになる駆け込み寺として、農業改良普及所の役割は増すばかりであります。職員の資質向上や技術継承、関係機関との連携、円滑化を含めた農業改良普及所の体制強化、組織力向上が必要と考えますが、知事の所見を伺います。
また、農業現場におけるGAPの普及も農業改良普及所の重要なミッションであると思います。GAPには様々な規格がありますが、基本は工程管理を行うことより、食品安全、環境保全、労働安全の持続可能性を確保することが目的となっています。現在、農作物の価格の観点からはGAP取得に対するインセンティブが薄い一方で、GAPが目指す内容には今後、農業を継続するために必要なことが多く含まれております。現在、県にはGAP指導を行うことができる職員がおられますが、県が保有するGAPの知見を生かし、農作業事故防止、高度な品質管理による農業を行うためのサポートが必要と考えますが、知事の所見を伺います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)語堂議員から、農業改良普及員の活動あるいはGAPにつきましてお尋ねがございました。
農業改良普及員はやはり新規の農業者の頼りにもなりますし、また農業生産技術の向上、それから例えば新しい品種の普及等々、いろいろな意味で重要でございます。また、農家の経営指導だとか、あるいは女性の参画の環境づくり、そうした意味でも今日的意義というのは高まってきているのではないかと思います。
実は私が引き継いだ、ちょうど平成19年頃というのは大論争がありまして、農業試験場等の研究機関などを再編して法人化をするとか、それからJAと役割分担をして、どちらかというと県の改良普及員は若干撤退の方向ということで、相当反発がありました。私も最初の選挙を戦ったときに結構JA側だとか農家の方から不信感を言われたものであります。それで大幅に軌道修正しまして、むしろ改良普及所というものをきちんと担保していく。それから法人化ということは撤回させまして、それでJAさんと協働しながら、JAさんももちろん園芸指導されますので、そうしたものと協調しながらやっていく体制ということをさせていただいております。
それで国の研修とか県の研修、例えば国では階層別の研修をしたり、それから県のほうでも初任の農業改良普及員の研修をしたり、また、それぞれの技術別、例えば梨だったらこうとか、スイカだったらこうとか、そういうのをオン・ザ・ジョブも含めてトレーニングをする、そういう体制などをしっかりと整えたりしながら、今も展開をしてきております。最近も例えばスイカの農家に入り始めて、3年くらいされたところで人を雇おうと、それで大きくしようという若い農業者がおられる中で、それを改良普及所のほうで支援をし、そこに例えば人を雇う関係で社会保険労務士さんだとかとの連携などもして、言わば従来よりも、そうした他の専門家と力を合わせて支援するということをやったところでもございます。
やはりそういうことをすることで実際、正規の職員として雇入れをされまして、これは規模拡大につなげていこうということにもなりました。また、例えば女性の働ける環境づくり、こういうのも改良普及員のもともと持っている資質や経験に合わせて、他の職種の人たちの応援だとか地域のネットワークの中でやっていく。こういうのは、やはり新しいスタイルの改良普及事業ということがこれから求められるのかもしれないというふうに思っております。
そういう意味で、今後しっかりと農家や産地から頼られるような普及体制、指導体制というものをしっかり堅持してまいりたいと思っております。残念ながら、改良普及員もだんだん高齢化が進んでいるのも事実でありますので、後進の指導や育成というのにも力を入れてまいりたいと思います。
また、GAPでありますが、これについては県のほうでもGAPを指導できる体制をつくって、現実にも例えばブロッコリーの産地であるとか、そうしたところでGAPにも取り組んでいただくようにもなっております。もともとGAP自体は国際的な基準でありまして、特に東京オリ・パラのとき、そうしたところへ食材を地元からも提供するという前提としてはGAP認証の取得ということもありまして、本県としても積極的にそれに取り組んだところでありますが、最近は農業経営を適正化する、それから効率的な農業生産につなげていくという意味でも、GAPというのはある意味現場では評価されていると思います。残念ながら、その価格にそれほど跳ね返るかどうかというのは見通せないところがありまして、そうした隘路はありますが、ただ、今年もGAPの認証とかを進めたり、それから指導員の研修だとか、そうした機会を増やしてきておりまして、それによって実際、産地では導入は進んでいるというのが本県の状況であります。現にその導入したところでも、JGAPを取ったということを表示させることで、5%から10%ぐらいの有利販売ができるようになったというような例も出てきております。
今後も、議員がおっしゃったように、こういうGAPというのも我々も活用して、農業生産高付加価値化あるいは生産効率の向上等に資する体制をつくっていきたいと思います。
◯議長(内田博長君)4番語堂議員
◯4番(語堂正範君)御答弁いただき、ありがとうございます。
改良普及所については、今までいろいろな変遷があったということを認識させていただきました。何はともあれ、産地から頼られるような普及所を目指すという言葉をいただきましたので、高齢化する体制も踏まえて、よりよい形の体制づくりをお願いします。
また、GAPのことなのですけれども、自分はちょっとJGAPのことを学ぶ機会がありました。そのときに幅広いことを学べるということを理解した上で、これをやはりある程度農家さんに還元しなければいけないのだろうな、もしくはこのままの状況ではなくても緩い形でもいいので、それを伝えることによって、やはり安全対策とか今、課題になっているものが解決できるのかなと自分自身は感じました。何はともあれ、まだまだ県のほうも指導者の育成とかを行うということですし、また、それを活用して、指導ではなくて助言みたいなことでもいいと思うので、行っていただければといいと思うのでよろしくお願いします。
それでは、続きまして、また追及をさせていただきます。
人手不足、担い手不足は大きな課題となっております。本県においては、兼業・副業の取組として週一副社長があります。プロフェッショナル人材の知恵を借りる側と課題解決に貢献したいとする側のマッチングを図るという観点で、全国に先駆けた先進的事例であると自分自身は考えます。こうした人材の需要と供給をお試しや片手間など、無理のない範囲でマッチングする取組は今後ますます注目を集め、発展していく可能性を感じております。また、ワーケーションでの農業体験や週末農業など、農家のお手伝いとして人手不足を補う方策にもなり得るものであり、新規就農の入り口となる実績の場としても期待ができるのではないかと考えます。コロナ禍による価値観の変容、ワーケーションのような働き方や暮らし方がある意味で流動的になり、その結果、週一副社長などの兼業・副業や半農半Xのような考え方が時代に適合し始めているように思います。将来的な移住・定住に向けた関係人口創出の有効策として今後も継続しつつ、人材需要のマッチングなど、さらなる展開を図ってはどうかと考えます。また、鳥取県らしい担い手の確保につながるような半農半Xの取組を行ってはと考えますが、知事の所見を伺います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)語堂議員のほうから、移住・定住に絡めて農業というものをやってみる、そういう人材育成、半農半Xも含めまして考えてはどうかと、こういうことであります。
現実にも本県は週一副社長というキャッチフレーズで副業・兼業というものを全国に募集をし、それが最近も日経か何かに出ていたと思いますが、この募集で応募してくる人も、それから職を提供する県内の企業も、全国トップなのだそうです。やはりこの辺に実は一つのマーケットがあったのではないかなと。それを先導したのは多分、鳥取県だったというふうに思います。これは農業の世界にもやはり同じことはあるわけでありまして、いわゆる関係人口として農業をやってみようかというのはあるわけですね。かつてクラインガルテンというのは、週末農場みたいなことを考えて推奨をしようとした時期もありましたけれども、なかなか定着はしなかったです。
ただ、最近、やはりコロナ禍ということもあるのでしょうけれども、こういう農業に言わばチャンスを見いだそうという方々は決して少なからずおられるように思います。典型的なのはプロ野球選手だった川口和久さんでございまして、鳥取市吉岡のほうで星空舞を今、生産されています。最初は格好だけかなというふうに見られたところもあったとは思うのですが、現実にちゃんと御夫婦で生産をしっかりされていまして、苦労しながら、この秋もやはり風が吹いて倒伏被害などもあったようでありますが、それをもう一度穂を立て直して、収穫まで持ち込んでおられました。割と減農薬栽培のほうにも興味を持っておられまして、言わば先進的な農業者として今、活躍をされ始めています。本県もアンバサダーに任命をしまして、こうした生活スタイル、農業と、──川口さんの場合、またいろいろテレビや何だかんだ、そういう──野球の解説等の仕事もございますので、言わば半農半Xでありますけれども、それを鳥取に定着しながらやっていくという、いいモデルになっていただいたのではないかと思います。
こうしたことは、やはりほかにも適用し得るわけでございまして、そうしたことを今後進めていくというのは中山間地の定住促進など、いろいろな補助事業もございますので、そうしたものの活用は可能ではないかと思います。
あと最近、やはり目立っているのは、農業のほうも人手不足のタイミングがあるわけですね。例えばラッキョウでも収穫などのときの作業で人手不足になるということであります。それで大栄のほうの農家さんでも1日農業バイトという、「daywork」というアプリを使って、人を募集してやられたところ、そういう収穫のほうに人が一定程度集まったと、非常にこれは便利だという話も出てきています。例えば農業関係の体験をしていただく環境大学だとか、あるいは鳥短、鳥看といったところの学生さんにも、そういう出会いの場というのをつくってやっていただく。こうしたことも今、展開をさせていただいております。また、障害者の方の農福連携というのは、本県はパイオニアの地域の一つでありますけれども、こうしたことで、積極的に農業以外から農繁期などに農業に入ってきていただくというのは、ウィン・ウィンの関係になり得るところだと思います。この辺も一つの仕掛かりとしてこうした、言わば農業を生かした、そうした地域での共同生活、コミュニティーづくりにも役立つのではないかと考えております。その意味で、議員がおっしゃった新しいタイプの労働参入の在り方だとか半農半X的な生き方の推奨ということも、本県としてはモデル的に展開をしてまいりたいと思います。
◯議長(内田博長君)4番語堂議員
◯4番(語堂正範君)御答弁いただき、ありがとうございます。
農業以外もなのですけれども、週一副社長は本当に先進的な取組だと思いますので、ぜひ先頭に立っていただき、推進していただければと考えます。
また、半農半Xも鳥取県的なもので、モデル的なものを展開できればという答弁もいただきました。国の動きもあるようですので、よい形で検討をしていただくのと、1日農家のアプリですかね、今日、説明会があるような話はちょっと聞いていたのですけれども、これも登録者を増やすことによって活用できるのかなと自分自身は感じております。何はともあれ、人手不足というのは大きな課題ですし、ほかの産業も含めてですけれども、改善をしていかなければならないと考えます。
また、食のみやこの推進についてですけれども、こちらのほうはキクラゲ、日本一番ということでよいことなのかなと思って、鳥取県で今、一番取れているものはキクラゲだけになるのですかね、ちょっとあれなのですけれども、自分が知っている限りではなかなかちょっと取れるものではないので、これからもよりよく推進していただきたいのと、何はともあれ、食のみやこの関係は消費と販路拡大が絶対重要ですので、こちらのほうの推進をお願いしたいです。
また、小麦のほうも関わられる方は、やはりちょっと話を聞いたら子供たちのためにというところが大きかったです。やはり国産に対しては安全・安心という面もあると思いますので、その辺のところを考えていただければというのと、あとは肉の地産地消フェアということですね、この取組もよりよい形だと思いますので、継続していただければと考えます。
それでは、続きまして、豊かな森づくりということで、
森林環境保全税は今回、新たな形でということで、豊かな
森づくり協働税という形に提案されています。自分はよりよいことなのかなと思うのですけれども、県民の方にやはり周知啓発が絶対的だと思いますので、このような税をこう活用しているということと、また、こういう税があるということをきちんと周知していただければと考えます。
それでは、追及に移らせていただきます。
鳥取県では、J-クレジットの普及促進に力を入れておられますが、持続可能な森林を維持するためには、健全な森林経営が不可欠であります。しかし、森林を整備するための林業専用道の整備において金額が折り合わず、応札者がいないことがあるように聞いております。長期で活用できる林業専用道を整備することは、災害に強い森林を実現するために必要なことだと考えますが、知事の所見を伺います。
また、認証林から生まれる認証材の推進はSDGsの取組にもつながるものであり、さらなる推進が必要と考えますが、知事の所見を伺います。以上です。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから、重ねての森づくりについてのお尋ねがございました。
やはり森林の木材生産につきましては、言わば血液を運ぶ血管に相当するような林業の作業道、専用道等がやはり重要でございます。私も就任する前は、こういう素材生産が14万6,000とか15万立米未満でありました。現在では30万立米を超えてきていますが、これはやはり路網整備と関連しています。最初の頃は鳥取式作業道とかそういうことをやっていましたが、さらに積極的に林道整備や、あるいは専用道、それから作業道等も支援を広げてきております。このようなことでやはり作業効率も上がってくる、それによって単価面でも有利になってくると、こうした意味で競争力もついてくるという中で、林業生産が上がってきたということがあります。したがいまして、議員から今御指摘がございましたように、こういう路網整備の重要性というのは今後の林業の生産拡大に不可欠であると考えております。
そうした意味で、例えば森林組合等でも最近、課題がございますのがやはりなかなか今、仕事も多くなってきて、そういう伐開して道路整備をするということについて建設事業者の協力を得る必要がありまして、その意味で例えば積算であるとか設計等の能力を上げていく必要がありますが、そこが実は森林組合サイドにはなかなかないところでもあります。そういう意味で、そうした研修事業を今年度まず始めてみようと。それから新年度以降、建設技術センターも活用しながら、そうした路網整備に向けた基礎条件づくり、職員の能力向上というものを応援していってはどうかというふうに考えております。
次に、SDGsの認証でございますが、これについては幾つかの認証タイプがありますが、それについて山の生産側と、そこから川中、川下の流通側、その活用側との双方において一連の流れで認証を取得していかないと、SDGs認証が得られないという仕組みになっています。まだ我が国では、さほどこれは重要視されていないのですが、ただ、海外などを考えますとヨーロッパを中心にこれが必須になり始めているということです。オリンピックにおいてもそうでありまして、オリンピックの選手村で国産木材を使おうではないかと、本県もそこに参入をしようとしたときに、やはりこの認証の問題というのがございます。この認証が取れたところで、例えば日南町森林組合とか中部の森林組合さんなどが材を出していただきまして、認証があるものですから、それを向こうでも使ってもらったということがありますし、智頭の森林組合も別途その材を出していただきました。
こうしたところで今そうした認証が進んできているわけでありますが、本県の場合の一番の問題は川中、川下のほうの認証事業者がほとんどいないということですね。この辺、製材などは例えば森林組合でもされますので、そうやって辛うじてつなげているところがあったり、それから王子製紙さんであれば、王子製紙さんの山の部門と、それから活用のほうと両方で認証を取って、中で材を使うことを回していたり、住友林業さんみたいなところも同じようにやっているわけですよね。実はその事業者側のほうで、使うほうで認証が取れるのがまだ進んでいないということがありまして、その辺の普及啓発活動というのが多分、当面の最大のネックではないかと思います。この辺につきまして関係者がいろいろと支援を得られるように、今後さらなるPR活動や働きかけを、森林組合等とも一緒になりまして進めていければと考えております。
◯議長(内田博長君)4番語堂議員
◯4番(語堂正範君)森林組合との連携をよろしくお願いします。
このたび、農林水産業の持続的な発展ということで、鳥取県の主産業の一つである一次産業に重きを置いて質問させていただきました。令和3年6月定例会においても、木育の活動拠点の施設を増やすあたり、また、人材育成の必要性もあるということで一般質問をさせていただいた経緯がございます。平成26年に定められた木育ビジョンですが、第2期は来年度までとなっております。第2期における現在までの進捗状況と、第3期以降に向けて、今後はどのように展開をさせるのか、知事の所見を伺います。
また、食農教育を推進するには、農業を担当する部署、食育を推進する部署などの積極的関与が重要であり、農業をなりわいとする農家はもとより、各部署が連携し推進するべきと考えますが、この点について知事、教育長の所見を伺います。
◯議長(内田博長君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)語堂議員から、木育、そして食農教育につきましてお尋ねがございました。
木育につきましては、木育のビジョンをつくりまして、今その普及を進めているところでございます。これまでのところでその端緒はつかめたと思います。木のおもちゃに親しむ講座等もやったり、それから木育のそういう言わば遊び場の森を鳥取環境大学と一緒になって、学生の皆さんに協力していただいて制作をし、これを各所で展開をしておりました。これが令和に入りまして、例えば天満屋さんのところのしんまちとか、それから出合いの森だとか、そうしたところに常設をするようになりまして、非常に利用者も数的には増えてきているということです。また、やはり令和に入りまして、貸出事業ということも展開をしたりして、こういうようなことで木のおもちゃや、そこで木に親しみながら育っていく、そうしたことが進み始めたところに今、木育の
コーディネーターを育成するということも進めてまいりました。森のきこりんなども一つのモデルでございまして、語堂議員にもこうした木育の資格も取っていただいて、活躍をしていただいていますが、こうした人材をさらに広げていかなければならないということが一つあると思います。
ですから、今後に向けましては、例えば木育の拠点、木と親しんで遊べる拠点というものをまた今後増やしていくとか、それからそうした活動団体がございまして、こうしたところを育成し、さらにはその人材育成である、そうしたコーディネートできる人材の研修事業等々の展開など、今後に向けたビジョンというものを新年度いっぱいはよく検討しながら、次に向けていければというふうに考えております。
あわせまして、食農教育でございますが、これは本県も取り組んできたところなのですが、少し見失いかけたところは確かにあるのかもしれません。実は平成19年、私が県政を担当させていただき始めた頃、実は食農というのを政策の要に置いていました。それは中部におきまして、あぐりキッズスクールがございまして、これは非常にいいと思ったからであります。当時、坂根さんが組合長をされていて、これをぜひ展開していこうと。当時もよく議場でも議論したのですが、実は農家のお父さん、お母さんですらあまり農業に親しんでいないと、もうほとんど通勤して会社員になっているわけですよね。農業をやっているのはおじいちゃん、おばあちゃんの世代であると。そのお父さん、お母さんも含めて農業体験をする、それはあぐりキッズスクールを通じてやって、子供たちも、こういうところでおいしいものを取って食べるのだねというのを親しみながら、農業のすばらしさというものを体験していくと、これは非常に効果も高いということで、それで従来、食育と言っていたところの計画に、平成20年頃から食農ということを明確に入れさせていただいたところであります。それで、県内でのそうした食農教育というものも、教育サイドとも連携しながら進めようということでやっていたのですが、私もちょっと知らなかったのですけれども、平成25年かそこらで食農教育という言葉が消えてしまっていて、農業体験にすり替わっていました。ちょっと方向を見失いかけたところはあるのかなというふうに確かに思います。